これってむくみの症状?むくみの症状から起こる不調について

むくみの症状

むくみとは、血管の外側の組織に余分なすいぶんが溜まった状態」のこと。
医学的には「浮腫」と言います。
塩分の過剰摂取により起こることもあれば、血行不良によるものや、寝不足、運動不足、お酒の飲み過ぎ、ホルモンバランス、薬の影響、何らかの疾病によるものなど様々な要因があります。

むくみのタイプ

むくみは起こる場所やむくみのタイプによって分類することができます。

●起こる場所

・全身性
体の左右両側や全身に起こるタイプ。
・局所性
体の一部や左右不対象に起こるタイプ。

●むくみの性質

・圧痕性
踝や脛を指で数秒間押すとへこみがしばらく元に戻らない。
・非圧痕性
すぐに元に戻って跡が残らない。

注意すべき症状

むくみは健康な人でも日常的に起こる現象ですが、慢性的に起こる場合は病気が隠れている場合もあります。
ではどんな症状の時に注意したらいいのでしょうか?

1.全身性で押すとへこみがしばらく戻らない

全身性のむくみを起こす原因の病気として腎臓の病気が最も多く、他には肝硬変や心不全などがあります。

腎臓は体内の水分調節を担う臓器です。腎臓の機能が低下すると、体内の余分な水分を尿として排泄できなくなり、体に溜まった余分な水分によりむくみが生じます。
また、健康診断で高度のタンパク尿が見られた場合にはネフローゼ症候群が疑われます。

肝臓は食べたものをエネルギーに作り変えたり、アルコールや薬を分解したり、胆汁を生成し脂肪の吸収を助けるなど様々な働きをする「人体の化学工場」です。
肝臓で作られるアルブミンというタンパク質は血液中の水分を一定に保つ働きがあり、肝臓の機能が低下してアルブミンが少なくなると、血液中の水分が血管外へ漏出しやすくなり、むくみがあらわれます。

心臓は血液循環の調節をしているため、心臓のポンプ機能が低下すると血流が悪くなり。むくみが生じます。

むくみ以外にも、呼吸が苦しい、息切れ、動悸、尿の出が悪い、お腹が大きくなるなどの症状もある場合は医療期間でご相談下さい。

2.全身性で押しても跡が残らない

甲状腺機能低下症などが考えられます。
この疾病が疑われる症状として以下のものが挙げられます。
・寒がりになる
・皮膚が乾燥する
・汗をいかきにくい
・便秘
・体重の増加
・いつも眠い

3.局在性で押すとへこみがしばらく戻らない

単なる足のむくみでも長時間同じ姿勢で座っていた後などに急に片側の足が浮腫んだ場合は要注意です。
エコノミークラス症候群(深部静脈血栓症)が疑われます。
4時間以上の長時間の飛行、短期間に頻回飛行機を利用した時、高齢者、肥満の人、最近大きな手術を受けた人、妊婦、ホルモン補充療法中の人、経口避妊薬を飲んでいる人、がんのある人はリスクが高いと言われています。

4.局在性で押しても跡が残らない

急に皮膚が腫れて数時間で引いた場合は血管性神経浮腫が考えられます。
血管性神経浮腫は皮膚のどこにでも現れ、蕁麻疹も伴うことがあります。
皮膚以外にも口腔内や舌、喉や消化管にもむくみが起こり、息がしづらくなったり窒息する恐れがあるので危険なため、息苦しいと感じた時には直ちに受診しましょう。

むくみが続くと心配になる方もいるかと思います。
健康な方であれば、塩分やアルコールの摂取を控え、からだが冷えないようにするなどの対策を取ることである程度予防することができます。また、加齢や妊娠中にも見られることもあるので、神経質になりすぎずその時にあった対処をすることが必要です。
しかし、上記の疾病のような症状も見られる場合にはすぐに受診するようにしましょう。

※参考記事
https://www.jslm.org/books/guideline/05_06/014.pdf
https://www.harefukutsuu-hae.jp/knowledge/#section2
https://www.forth.go.jp/useful/attention/20.html
https://www.mhlw.go.jp/topics/2006/11/dl/tp1122-1h06.pdf