塩分とむくみの関係について

立ち仕事や座り仕事が続いたり、たくさん塩分を摂った翌日などにむくみに悩まされる方も少なくないでしょう。
そもそも「むくみ」とは体内に過剰に塩分が蓄積されたときに、それを薄めるために体内に水分を溜め込むことで起こる現象で、体内の水分濃度は塩分(ナトリウム)とカリウムによってコントロールされています。
今回は塩分(ナトリウム)の排出を促すカリウムを多く含む食品についてご紹介します。
むくみが気になっている方は参考にしてみてください。
むくみの原因の1つに塩分(ナトリウム)の過剰摂取が挙げられます。
体内の水分量はナトリウムとカリウムによってコントロールされていますが、ナトリウムの摂取量が多くなり、ナトリウムとカリウムのバランスが崩れることでむくみやすくなります。
日本人の食事は、漬物にお味噌汁、魚の干物や煮物など、味付けは古くから味噌、塩、醤油を基本とした料理が多く、食塩としてナトリウムを摂りすぎてしまう傾向にあるため、カリウムの摂取が重視されています。
日本食事摂取基準(2020年版)での成人のカリウムの目標量は
男性:3000mg
女性:2600mg
となっております。
なお、多く摂りすぎても排泄されるため過剰症の心配はありません。腎機能が低下して排泄が上手くいかない場合は胃腸障害や不整脈などの高カリウム血症になることがあるため、注意しましょう。
では、どのような食材を食べればカリウムが摂取できるのでしょうか。
ほうれん草…690mg
切り三つ葉…640mg
枝豆…590mg
にら…510g
小松菜…500g
里芋…640mg
大和芋…590g
さつまいも…480g
アボカド…720g
バナナ…360mg
メロン…340mg
納豆…660mg
茹で大豆…530mg
刻み昆布…820mg
干しひじき…640mg
カリウムは幅広い食品に含まれますが、中でも多く含まれるのは野菜や果物、いも、大豆、海藻などです。
野菜や果物を毎日しっかり食べていればカリウム不足の心配はありません。
カリウムは水溶性で水に溶け出す性質があるため、なるべく生のまま食べるのがおすすめです。また、調理する際は茹でるのを避け、蒸したり、煮物などでも栄養が溶け出した汁ごと頂ける料理がいいでしょう。
カリウムは主に尿で排泄されるため、利尿作用のあるお茶やコーヒー、アルコール飲料をとりすぎると、カリウムも排泄しやすくなってしまいます。
カリウムを効率的に摂取したいときには避けたいものです。
野菜などを生で食べようと思うとかさが大きくなってしまうため、少量の食材で効率よく摂取したい方には干し柿やあんずなどのドライフルーツや海苔やひじきなどの海藻の乾物もおすすめ。水分を飛ばして成分が凝縮されているため、カリウムが効率的に摂取できます。
いかがでしたか?
むくみの原因はカリウム不足以外のものもありますが、塩分を取りすぎてしまった時には今回ご紹介した食材を食事に取り入れてむくみの予防と改善に役立ててみてください。
※参考文献
吉田企世子/松田早苗(2019)『あたらしい栄養学』高橋書店